本能、欲望の描写が秀逸「チェンソーマン」
本能、欲望の描写が秀逸「チェンソーマン」
作者
藤本タツキ
掲載
週刊少年ジャンプ
あらすじ
『ファイアパンチ』の鬼才、新時代を切り開くダークヒーロー漫画で週刊少年ジャンプに初登場!!
騙され借金まみれで、貧乏な生活を送っていた少年デンジ。
チェーンソーの悪魔のポチタと共にデビルハンターをしながらどうにか生きていたが、ある日残虐な悪魔に狙われてしまい…!?
公式サイトより引用
感想
ファイアパンチの作者として一躍有名になった、藤本タツキ先生の連載作品。
ファイアパンチのときも随所にあらわれていたが、登場人物の煩悩や本能といった人間の根幹の欲望や欲求を表現するのが非常にうまいと感じる。
物語の主人公は借金まみれで極貧生活を送っていた「デンジ」
チェンソーの悪魔である「ポチタ」とともに貧しいながらも幸せな生活を送っていたのだが、残虐な悪魔に襲われ死にかけたところ、ポチタが心臓となり身体を再生したことでチェンソーの悪魔への変身能力を持つ人間として生まれ変わるというところから物語は始まる。
デンジは極貧生活を送っていたこともあり、
普通の人間からすると当たり前の「普通の生活」に対する欲求が非常に強い。
- 普通の食事
- 普通の友達
- 普通の彼女
- 普通の日常
そんな「普通」を得ることに命がけになっている。
普通が当たり前じゃなかったデンジだからこそ普通に対してそこまで執着できるのだなとどこか羨ましくさえ感じる。
デンジがチェンソーの悪魔への変身能力を持った事件をきっかけに、
公安の悪魔を退治することを目的とした部署である、公安対魔特異課、対魔特異4課に所属することになり、
デンジは自らが生存するために、デビルハンターとして悪魔を退治することを生業とする。
対魔特異4課にはデンジの他にも様々な魅力あるキャラクターが登場する
デンジの上司にあたる「マキマ」
デンジの先輩にあたる「早川アキ」
デンジの同僚で魔人の「パワー」
彼らもデンジ同様に、夢や欲望を持ち、その欲望を叶えるためにデビルハンターという過酷な職業を全うしている。
欲望に対して行動するという、生物本来の姿がキャラクターたちをより魅力的にしているように思う。
今後も「普通」を求めて奮闘するデンジとその仲間たちの活躍に期待したい!
コミック情報
チェンソーマンは現在3巻まで発売中!!
気になった方はぜひ購入してみてください!!
これが日本のマーベル作品!?「AUTOMATON」
これが日本のマーベル作品!?「AUTOMATON」
作者
倉薗紀彦
掲載
モーニング
あらすじ
そう遠くない未来、日本。
とめどない革新によって“暴力”の技術もまた、磨き上げられていった。
犯罪の凶悪化に対処すべく、世界最大手のロボット企業・ロック社は精神転送を駆使した兵器「オートマトン」を開発。
一人の少年が、ロック社の「ある計画」に巻き込まれていく——。
公式サイトより引用
感想
ロボット、ヒーロー、マーベルやDCといったアメコミ作品が好きな人には
刺さること間違いなし!
近未来を舞台にしたロボットヒーロー漫画「AUTOMATON」!!!
主人公は一見、ごく普通の高校生の由河明
父は優秀な科学者であったが、事故により命を落としてしまったという過去を持っている。
父の影響もあってか、ロボットの修理などに長けている。
普通の日常を過ごしているが、ふとしたことから世界的なロボット企業「ロック社」のCEOトマ・ロックにその才能を見いだされ、
最新鋭の戦闘兵器であるAUTOMATONのパイロットに任命される。
トマ・ロックや、ロック社の外見はまさしくトニー・スタークとアベンジャーズタワーといった風貌しており、アイアンマン好きにはたまらない
AUTOMATONは精神転送をすることで操縦する戦闘兵器であり、
明はその力を存分に利用し、紛争の解決や違法薬物の売人などを退治していくのだが、
謎の組織シヴァの刺客たちが明に襲いかかってくる!!
違法薬物や人間を生物兵器に改造し、悪事の限りを尽くすシヴァとの戦いの展開が本作のメインとなる。
AUTOMATONの性能を更に引き出し、シヴァを破滅させるためにトレーニングに勤しむ描写やシヴァの生物兵器であるキメラとの戦闘は爽快感や迫力が表現されていて、店舗よく読みすすめる事ができる。
また、AUTOMATONはアイアンマンやキャプテン・アメリカのようないかにもヒーローという風貌であることから少年心をくすぐられ、素直に応援できる!!
他にも個性あふれる魅力的なキャラクターがたくさん登場するので、
AUTOMATONとシヴァの戦闘を含め、今後の展開を楽しみたいと思う!!
コミック情報
AUTOMATONは現在4巻まで発売中!!
気になった方はぜひ購入してみてください!!
「数学」が「料理」と交わる時、未知のグルメ世界への幕が上がる!!「フェルマーの料理」
「数学」が「料理」と交わる時、未知のグルメ世界への幕が上がる!!「フェルマーの料理」
作者
小林有吾
掲載
月刊少年マガジン
あらすじ
「数学の道でこの世の真理を見出すような人間に、僕はなれない…」数学者を志し、数学オリンピックを目指すも挫折した数学少年・岳。
奨学金は打ち切られ、学食のバイトで学費を稼ぐ無為な日々の中、突然訪れた一人の天才シェフとの出会い。
「数学」が「料理」と交わる時、未知のグルメ世界への幕が上がる――‼
公式サイトより引用
感想
小さいころから数学好きで必死に打ち込んでいた主人公の岳は
数学オリンピックの予選に出場するも、周りの考え方との違いやレベルの違いに驚かされ、数学者への道を半ば諦めてしまう。
誰しもが経験したことであろう
物事を好きになり、自分もその物事に愛されているのではという感覚とともに、
その後に訪れる上には上がいるという経験や
自分が一番ではないという挫折が主人公を襲う。
作者の小林有吾さんは「アオアシ」の作者としても知られているが、
少年の苦悩や絶望に苛まれる際の心理描写が鮮明に描かれていて、
表情や動作からも絶望感や悲壮感が伝わってくる。
自身の経験とも相まって、諦めたくない気持ちもあるが、
心ではどこか自分自身を理解しているが故の諦めという葛藤を理解できる。
そこからかすかな希望に縋る様子や、
新しい行動理由に対して全力で取り組むようになる流れも読んでいて楽しくなれる。
主人公にとって新しい行動理由や希望が「料理」であった。
数学オリンピックでの絶望から、学校の食堂でアルバイトをすることになり、
何の気なしにナポリタンを作る。
岳にとっては何の変哲もないまかないのナポリタンであったが、
これがもうひとりの主人公とも言える天才料理人の海の目に止まる。
海は岳が皿の上に表現したことはもちろん、
料理以外の行動で食べる人を気遣っていた行動に魅了される。
料理の楽しさに気がついた岳と、その才能に魅了された海が互いに惹かれ合い、
最高の一品を作るために協力していくことになる。
この漫画の魅力は数学と料理という一見関係のない2つの物事が
密接に結びつき、互いの魅力を相乗効果的に引き出すことである。
料理を作る描写であっても、美味しい料理を過程が導く解として捉え、
いかに解にたどり着けるかということを調理方法や素材選定としている。
インスピレーションやたまたま最高の料理が生まれた!
というよりは調理方法や素材がもつ旨味や成分などを数値や、
数学的な考え方に当てはめることで違った面白さとして見ることができる。
だれかを喜ばせる、楽しませる、幸せにする、空腹を凌ぐ、病気を良くするといった
決して切り離せない人間の心や体を支える「料理」がもたらす力に対して
答えが決まっていても解放が複数ある数学のように、どうやってその力に到達するかといった道筋の構築や数学的解釈が非常に面白い。
これまでの料理漫画と大きくことなるため、
料理漫画が好きな人で多く読んできたひとでも新鮮な気持ちで読めるのはもちろんのこと、
美味しい料理を食べて感想をいうといった最近多くありふれている漫画に飽き飽きしている人にとっても楽しく読める作品である。
コミック情報
フェルマーの料理は現在1巻まで発売中!!
気になった方はぜひ購入してみてください!!
子供の脳内バトルがそのまま漫画になった!!「終末のワルキューレ」
子供の脳内バトルがそのまま漫画になった!!「終末のワルキューレ」
作者
原作:梅村真也
構成:フクイタクミ
作画:アジチカ
掲載
月間コミックゼノン
あらすじ
全世界の神VS偉人、武人、傑人!!!!
地上で横暴を極める人類に対し、神々は人類の滅亡を決定する。
その決定を覆すべく選ばれたのは人類史上最強、13人の戦士たち。
神々とのタイマン13番勝負に勝ち、人類を存続させることは出来るのか!?
第一回戦は 北欧神話最強「トール神」VS 三国志 最強「呂布奉先」!
人類存亡を賭けた戦いが、今始まる!!
1巻あらすじより引用
感想
最初の感想は子供の脳内バトルがそのまま漫画になったかのような物語で中二心がMAXになる!!と率直に感じた!
公式ツイッターで「自分の中の小5がテンション上がりすぎて気絶すると話題の”小5気絶漫画”」と紹介している通り小さい頃に誰しもが想像する最強vs最強を実現した漫画になっている。
物語は神々の会議から始まる。
1000年に一度開かれるその会議は全世界の神々が集まり、次の1000年間の人類の存続を決めるために開かれる人類存亡会議。
地球を身勝手に使い、環境汚染や様々な紛争を起こしながらも反省の色が見えない人類に対し、神々は人類の滅亡を決定づける。
そんな中、北欧の伝承に登場する女戦士たち、ワルキューレの一人である「ブリュンヒルデ」が神々に対して決定に反論するかのようにある提案を持ちかける。
その提案こそが神と人間の13番勝負である最終闘争(ラグナロク)!!
人類存続をかけ、時代や場所にとらわれない最強、最凶、最恐といった面々が神に対して勝負を挑むのである。
神と人間のラインナップは以下のようになっている
神
ギリシャ神話、北欧神話、宗教の神々など、
誰しもが名前を聞いたことがある異次元の力を持つ者たちがラインナップされている。
中にはポセイドンや、トールなど、海の力や雷の力を司る存在といった戦い方にある程度想像が付き、迫力のある戦いが期待できる者もいれば、釈迦やアヌビスなど強大な力を持つのはもちろんだが、どんな戦いをするのか計り知れない者もいるので今後の登場に期待が持てる。
一方人間サイドは以下の面々が闘技者として選抜されている
人間
人類の始まりであるアダムを始め、
古今東西を問わぬ人類最強メンバーが軒を連ねている。
ただ、相手は神々であり、人間の力だけでは及ばない、
そこでワルキューレたちが人間の闘技者たちと心を通わし、
闘技者に最も適した神器に自身を変化させる能力、神器錬成(ヴェルンド)を使うことで、ワルキューレと人間が一蓮托生となって神々に挑むのである。
ワルキューレは13人の姉妹からなる魂の運び手と言われているので、
ブリュンヒルデや、側近として描かれているゲルもまた、人間とともに神に挑むことになるのであろう。
現在は4巻まで発売されており、
のバトルが繰り広げられている。
対戦者の間には、生まれながらにして最強がゆえに、今まで全ての敵を一撃で下してきてしまったという共通点を持つ組み合わせなど、それぞれのバックグランドやこれまでの生き様が描かれることもあり、登場人物を深堀りすることで、より戦いが熱く描かれていることにも注目したい!
今後のバトルではまだ登場していない神や人間の戦い方が気になる。
シモヘイヘは姿を見せずに遠距離から射撃攻撃をし続けるのではないか?
ノストラダムスが予言を当て続け、しまいには勝利を予言するのではないか?
ヘラクレスの強靭な肉体で激しい肉弾戦が繰り広げられるのではないか?
など、闘技者単体ではもちろん、対戦相手との駆け引きが非常に楽しみである。
また、ラグナロクをもちかけ、神器錬成することで人間サイドに立っている
ブリュンヒルデを筆頭としたワルキューレたちの狙いにも注目したい!!
今でも中二心、小五心を忘れない男子はぜひ読んで心を熱くしてほしい。
また、歴史好きや神話に興味を持っている人でもその人物の生い立ちや歴史の理解を深める手助けとなることは間違いないだろう!
コミック情報
終末のワルキューレは現在4巻まで発売中!!
気になった方はぜひ購入してみてください!!
「すべての人類を破壊する。それらは再生できない。」でMTGをやっていたころを思い出す。
「すべての人類を破壊する。それらは再生できない。」でMTGをやっていたころを思い出す。
2019年5月25日に発売された「すべての人類を破壊する。それらは再生できない。」が面白かったので感想を書いてみます。
すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 (1) (角川コミックス・エース)
- 作者: 横田卓馬
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/05/25
- メディア: Kindle版
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連載情報
「すべての人類を破壊する。それらは再生できない。」は月刊少年エースで連載中の横田卓馬先生の漫画
90年代MTG青春グラフィティ!!
神納はじめは、仲の悪い学校の優等生・沢渡慧美と、流行のカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」を通じて、交流を深めるが……!?
読切にて大声援を受けたノスタルジックラブコメ、連載開始!! 世紀末の90年代後半を舞台に「きっと青春だった」日々が、始まる。
上記サイトより引用
感想
横田先生の作品は、痴漢男や黒沢などで拝見させていただいていたので、
新連載が始まると聞いた時点で絶対読もうと決めていた。
テーマはMTG、自分自身は舞台となっている90年代にはプレイしていなかったが、
デュエルマスターズを読んでいたので、その当時の思い出が読みがえる。