「僕の心のヤバイやつ」の中二病はわかりみが深い!!
「僕の心のヤバイやつ」の中二病はわかりみが深い!!
作者
桜井のりお
掲載
マンガクロス
あらすじ
陽キャが憎くてたまらない…。
只今、中二病真っ最中の市川京太郎は、
学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を企む！
だが、山田の意外な一面を知ってしまい…！？
陽キャ美少女と陰キャ男子。
縮まるハズのない２人の距離に
奇跡は起きるか！？
陰キャ・京太郎の青春が今、
かなり静かに動き出す…！！
公式サイトより引用
感想
タイトルの「ヤバイやつ」が表しているのは
思春期ならではの中二病の心!!
主人公の市川はまぎれもない重度の中二病罹患者
クラスメイトの一人で雑誌モデルをやっている山田を「いつか○してやる」と心の中で妄想している。
もちろん行動には起こせず、近くにくるだけでドキドキしたり、
話しかけられただけで好意を寄せられていると勘違いしてしまう。
いわゆる陰キャである。
友達もいない、スクールカースト最底辺で中二病の陰キャ
美少女で周りからの人望も厚いスクールカースト最上位の美少女
この二人を軸とした高校生活が舞台のラブコメ漫画である。
美少女のヒロインと陰キャの主人公で、
ヒロインが主人公を悶絶させるという構図の漫画は多く、
「からかい上手の高木さん」
「やんちゃギャルの安城さん」
「イジらないで、長瀞さん」
と構図は似ている部分もある
この漫画のヒロインである山田は無意識に
市川のことをどぎまぎさせるという点が他の漫画とは異なっている。
また、山田は天然で食いしん坊だが、スタイルバツグンといった一種のステレオタイプなヒロイン像なため、山田の魅力が伝わりやすく、市川に感情移入しやすく、読みやすい作品になっている。
先の通り、山田から積極的に市川にアクションを起こすというよりは、
市川が山田のことを遠目に見て勝手に妄想したり、勝手に突っ込んだりという話が多いながらも、遠目に見る山田も非常に魅力的に描かれている。
天然っぷりを遠目から観察したり、
食いしん坊っぷりを遠目から観察したり、
友達と戯れる山田を観察したり、
と…
主人公が陰キャという立場のため、
遠巻きに眺めるといったやや気持ち悪い行動も、
中二病な心を表しているようで非常に納得できる。
コミック情報
「僕の心のヤバイやつ」は現在単行本は2巻まで発売中!!
最初はただのクラスメイトで交わることもないはずのスクールカースト最底辺と最上位の二人だが、
なにげないやり取りや学校行事などを経てどのように関係が変化していくのかが気になる作品です!!
ドリフトに懸ける想い！「ドリキャン!!」で胸が高まる！！
ドリフトに懸ける想い！「ドリキャン!!」で胸が高まる！！
連載情報
「ドリキャン!!」は少年ジャンプ+で連載中の千葉侑生先生の漫画
「ドリフトはスポーツだ！」ゆるふわ大学生活を夢見て入学したドリフトの天才・轟輪（とどろきりん）の前に現れた廃部寸前の自動車部、通称シャブ。
すべてを賭けた学生たちの青春が今始まる—!!
上記サイトより引用
感想
タイトルのドリキャンは自動車の運転技法でタイヤを横滑りさせて走行するテクニックの「ドリフト」と大学を意味する「キャンパス」から作られた「ドリキャン!!」
タイトルの通り、大学生活とドリフトがテーマになっている作品。
この漫画のいいところは千葉侑生先生の車やレースに対する愛情がストレートに伝わってくるという点が大きい。
作中には実在する車はもちろん、プロのドライバーや実際にレースでみられる光景などが随所に散りばめられている。
また、今回取材協力&マンガ出演いただいた熊久保信重選手も実在するプロ選手です！とても親切で素敵な選手であり、エビスサーキットの支配人！！追走がとにかくかっこいいのでみなさん動画で見てみてください〜！！ https://t.co/wTXtHaqbWx
— 千葉侑生@ドリキャン!! (@chibayou09421) July 18, 2019
作者の千葉先生が作中にも登場する熊久保選手を紹介するツイートなど、
ツイッターからも車やレースに対する思いが伝わってくる。
レースシーンの迫力や車の描写も本作の魅力の一つ!!
スマートフォンでの閲覧を前提とした縦スクロールという点も迫力を出している要素だと思う。
筆者は正直なところ、車やレースにはあまり興味がなく、
もちろん選手など知る由もない…。
だが、この作品をみると胸が高まり、実際のレースを見ているかのような感覚に襲われ、
自然と主人公の輪やそのチームメイトたちのレースを応援してしまう!!
ドリフトと大学生活という似ても似つかない2つの要素がうまくミックスされている本作品。
主人公の轟輪は知らず知らずのうちにドリフトテクニックを親から伝授された女子大学生。
本人はなんの気無しに車の運転をしていたのだが、いつのまにかドリフトのテクニックがメキメキと上達し、普通の女子大学生では到底到達できない腕を手に入れている!!
最初は本人もドリフト競技に参加することや、自動車部に入ることに乗り気ではなく、
ふつうのキャンパス生活を送りたいという願いとは裏腹に、自動車部への入会を勧められ、ドリフトをすることになる。
実際にドリフトに参加することで、対戦相手と競うことや、
車と意思を交わすことに楽しさや喜びを見出していく!!
作中では、ライバル校との対戦があったり、
チームメイトとの友情があったり、
車と心を通わせていく感動があったりと熱い展開が続いていくので目を離せない!!
また、車好きな読者の愛車を紹介するフォトコーナーができたりと、
熱量の高いファンが参加できるイベントも開催され、作中、作外を問わず、
今後の展開を楽しみにしたい!!
いまのところ単行本の発売情報はないので、
単行本の発売が決まり次第、追記させていただこうと思います!!
それまでは頭文字Dでを読んで単行本発売に備えよう!!
自分らしさとは、何か。教えてくれる漫画「着たい服がある」
自分らしさとは、何か。教えてくれる漫画「着たい服がある」
作者
常喜寝太郎
掲載
Dモーニング
あらすじ
「ロリータ服を着たい」
それは、女子大生・マミの誰にも言えない秘密だった。
家、学校、職場……社会の中で「自分らしく」あるために、マミはもがき、傷つき、やがて答えを見つけていく——。
これは、ただの「服マンガ」ではない。他者との関わりに悩む全ての人へ贈る、真の「自分探し」物語。
公式サイトより引用
感想
「自分らしさ」とは、何か。
をテーマに掲げている漫画。
タイトルはファッション漫画のようだが、
直接的にファッションは関係なく、
多くの自分の理想をなかなか叶えられず、やりたいことができない人が
少数の自分のしたいことを自分の強い意志でやり遂げられる人にあこがれて行動を起こしていく漫画である。
読むと一歩を踏み出す勇気が湧いてくる作品である。
物語の主人公は背が高くてスタイル抜群な女子大生のマミ。
家族や友達から「かっこいい」女性として見られることが当たり前で、
服装や髪型、言動がそのイメージから外れると「らしくない」と思われてしまう。
そんなマミは実はロリータファッションが好きな女の子であり。
本当は漫画に出てくるお姫様のようなピンクでフリフリなファッションに憧れている。
物語の「起」となるのはマミのバイト先に小澤というイケメンが入ってくることである。
小澤は容姿端麗でお客さんからの受けもいい好青年なのだが、
私服が超個性的でこんなのどこで売ってるんだ？と思ってしまうほど特殊なものを着ている。
バイト先の店長やバイト仲間からは「イケメンなのにもったいない」や「あの服がなければ…」と思われている。
だが、当の本人はそんなことを気にも留めず、自らが着たい服を着て、我が道を突き進んでいる。
マミもそんな小澤の行動に感化され、自分が本当に着たい服を着るために行動を起こしていく。
いきなり町中でロリータファッションをするのはハードルが高いと感じたマミはまずはネットカフェの個室でロリータファッションに身を包む。
ただ、そこでもフリフリの服がひっかかり、本棚を崩してしまったり、他の客から文句を言われたり、なれない格好で転倒してしまったりと散々な結果になってしまう。
- 小澤をはじめとして、自分がしたいことを臆せずどんどん行動に起こす人
- 好きな人のために行動を変えようとする人
- 母親や友達の拒絶
- 実習先の学校や介護施設でであう人たちの言葉
などなど、様々な人の感情や行動から自分を変えるきっかけを掴み、
自分の世界を広げていくマミの今後がとても楽しみな作品である。
前述の通り、この漫画は一歩踏み出す勇気を与えてくれて、
自分らしさとは何なのかを教えてくれる。
少しずつ世界を広げていくマミの姿はとても眩しくて羨ましく思えるもので、
周りの目を気にして何もしない自分が情けなく、行動を起こすきっかけを与えてくれる。
また、「普通」「当たり前」といった言葉が以下に陳腐なものであるか
「他人のイメージ」がいかにちっぽけなものであるか
など様々なことを考えさせられる。
コミック情報
着たい服があるは現在4巻まで発売中!!
気になった方はぜひ購入してみてください!!
「ふたりソロキャンプ」を読んでキャンプ初心者も上級者に!!
「ふたりソロキャンプ」を読んでキャンプ初心者も上級者に!!
作者
出端祐大
掲載
イブニング
あらすじ
生粋のソロキャンパー樹乃倉厳34歳！
ひょんなことから巨乳女子が弟子入り志願!?
樹乃倉厳、34歳。 自然を愛し、CAMPを愛すキャンパーである。
ただ、「ソロ」である。
独りで楽しむ「ソロキャンパー」なのである。
だがそこに闖入者が現れ、ゲンの静かなキャンプLIFEは混乱を極める！
作者サイトより引用
感想
巷では空前のアウトドアブームと言われ、
キャンプやアウトドアアクティビティ、グランピングが大人気になっている。
このブームはいろんな要素から成り立っている。
- 自然が失われた都市部に住む人が増え、その人達が自然を求めている
- 非日常を体験することでInstagramやTwittetといったSNSで映えることで承認欲求を満たせる
- ゆるキャンやヤマノススメといったキャンプ漫画のヒットやアニメ化
などなど多くの理由がある。
この漫画の主人公の一人、女子大学生の雫も友達と行ったグループキャンプをからキャンプに魅力を発見し、キャンプ道具を調べたり、Youtubeでキャンプ動画を見たりと、キャンプに興味を持ち始めた。
ひょんなことからソロキャンプ上級者の厳と一緒に「ふたり」ソロキャンプをすることになる。
この作品の魅力はさまざまある。
- 多様な楽しみ方があるキャンプの魅力を紹介していること
- キャンプ初心者がなにから始めればいいのかわかりやすいこと
- キャンプを軸とした人間関係や恋愛模様
1つ目の多様な楽しみ方があるキャンプの魅力を紹介していること
キャンプの魅力はひとそれぞれ異なるが、それをうまく表現し、
互いの楽しみ方も尊重している。
厳はひとりの時間をゆっくり楽しみ、沈む夕日を眺めたり、星を見たり、朝日を見たりといった、
一人の時間を楽しんでいる。
料理に関しても肉を焼くだけや、缶詰に一手間加えるだけといった簡単なものが多く
それをつまみにビールを飲むことを楽しんでいる。
一方の雫は非常に手が込んだキャンプ飯を作っている。
ビアチキンや様々な米料理などをキャンプならではの環境と調理道具を使うことで仕上げている。
また、キャンプギアも見た目の可愛さで選んだりと、女の子ならではの目線といえる。
tent-MarkDESIGNSのパンダテントやUCOのハート型の焚き火台といった
実在するキャンプギアも登場するため、雫のギアもまねてキャンプを始めるといったこともできる。
2つ目のキャンプ初心者がなにから始めればいいのかわかりやすいこと
厳はキャンプ上級者だが、雫は一人でテントも立てられない初心者
厳は昔、父に教えてもらったことを雫に積極的に伝授し、雫を一人前のキャンパーに成長させていく。
実際に厳が教えるテントの立て方や、焚き火の火起こしの方法などは
キャンプ初心者が今すぐ実践できるほど丁寧でわかりやすい。
雫も厳に教えてもらっていく上で、新しいことが少しずつできるようになり、
自然の不自由さや、自然の中で生活する不便さをキャンプの楽しみとして捉えることができるようになっていく。
3つ目のキャンプを軸とした人間関係や恋愛模様
成り行きでふたりソロキャンプを始めた厳は
ソロキャンプの楽しみを邪魔されると感じ、最初は雫を煙たがっているが、
自身も父にキャンプのいろはを教わったことや、雫が真摯にキャンプに向き合っていることを目にし次第に心を開いていく。
一方の雫も最初はヒゲモジャの汚いおじさん程度の感情しかなかったが、
厳の優しさや寛大さに心惹かれていく。
ふたりソロキャンプが今後どのように進展していくのか、
二人の関係はどうなっていくかにも期待したい。
キャンプはやっぱり楽しい!!
二人ソロキャンプを読むことで、
自分でもどういうギアを買おうか、どこに行こうか
どんなご飯を作ろうかという妄想が掻き立てられる
コミック情報
ふたりソロキャンプは現在3巻まで発売中!!
気になった方はぜひ購入してみてください!!
「王様ランキング」を読めば心が温まり勇気が湧いてくる!!
「王様ランキング」を読めば心が温まり勇気が湧いてくる!!
作者
十日草輔
掲載
マンガハック
あらすじ
王族の長男で、巨人の両親を持ちながらも、自身は体が小さく、短剣すらまともに振れないほど非力な王子ボッジ。
しかも耳が聞こえず、言葉が話せないボッジは、周りからは次期王の器ではないと噂され、どこか空虚な毎日を過ごしていた。
しかし、ひょんなことから心が通じる「カゲ」という友達を得て、人生が輝き始める。
作者サイトより引用
感想
まさに読むと心が温まり、勇気が出る作品である。
なにかに一歩を踏み出せずにもじもじしている人や、
いつも言い訳ばかりで物事から逃げている人、
自分に自信が持てず、諦めてしまう人
そんな人が読めば、何かを始めるきっかけや行動を変える一歩になると思う。
そんなお話。
タイトルになっている王様ランキングとは高名な騎士を数多く従え、
国民が多く、町が発展していて、王様自信が勇者のごとく強いこと！
それらを条件に各国の王様をランキングしたもの。
そんなファンタジーの世界がこの漫画の世界観。
剣や騎士、西洋のお城といったファンタジー要素が、
十日草輔さんの、やさしくてあたたかい絵柄で描かれている。
主人公のボッジは王様ランキングでも上位に位置する、
豪傑のボッス王が率いる王国の王子様。
一見、順風満帆に思えるが、
ボッジは生まれながら、しゃべれず、耳が聞こえず、体も非常に小さく、非力で弱々しいというディスアドバンテージを負っている。
第一王子という立場でありながら、弟のほうが王位継承にふさわしいと思われていたり、
街の人々からも嘲笑われることも多々ある。
そんなボッジにも相手の心や読んで行動することができたり、
次の相手の行動が読めるといった力を持っている、
そんなボッジが自分自身の強みを生かした行動をとることで、
世界が変わっていくというというのが本作の一番の魅力である。
ボッジはもちろんだが、魅力あるキャラクターが数多く登場する。
そのひとりがボッジの相棒とも言える存在「カゲ」
はじめは耳が聞こえず、なんでも言うことを聞いてくれるボッジを利用して詐欺行為を働くが、
意思疎通ができる存在を大事に想い、ひたむきな行動をとるボッジと打ち解け友情が芽生えていく。
カゲの他にも一見悪者に見えるキャラクターが実は心優しかったり、
ボッジの行動が周りの人をも変えていく。
ボッジには父であるボッスのような豪傑ではないが、
彼なりの行動や努力の結果として、
ボッスにも負けずとも劣らない仲間や大切なものを次々に手にしていく。
生まれながらのディスアドバンテージを軽々と吹き飛ばすボッジの行動力や
思いやりを目の当たりにすると、読むだけで明日への活力や勇気が湧いてくる。
今後ボッジは王になれるのか、どのような王になるのか。
王様ランキングで上位になれるのかといったことに注目していきたいと思う。
コミック情報
王様ランキングは現在5巻まで発売中!!
気になった方はぜひ購入してみてください!!
